久しぶりに読書感想文でも書こうかと思います。今回は芥川賞受賞作の「影裏」です。何故この本を読もうかと思ったかというと、著者の沼田真佑さんの職業は塾講師、同業者として興味が湧いたといったところでしょうか。目的は「純文学に触れる」です(笑)。舞台は岩手県、医薬品関連関係の会社に勤める男性が主人公です。元同僚の友人と釣りを通じて仲良くなったのですが、友人が転職したことによって疎遠になってしまいます。ここで仲良くなるというのは友情の枠を超えて・・・。「LGBT」も絡んでいます。東日本大震災を機に再び友人を知ることになり、それが友人像とはかなり違ったダークなものだったという内容になっています。日常生活と淡々と綴った平易な文章でしたが、非常に不思議な小説でした。岩手県の自然の美しさと釣りの醍醐味が多分に描かれ、終盤は東日本大震災の話に連なりますが、恥ずかしながら僕には一体何が書きたかったのかよくわかりませんでした。友人との「LGBT」がテーマなのか、謎かけやほのめかしなどの心理を突くような文体ではなくミステリータッチの雰囲気もない、ただただもやもや感が否めない小説でした。僕自身が純文学について勉強不足で、ほんの数冊芥川賞受賞作を読んで分かった気になるなよと言われそうですが、個人的には一塾講師がこんな綺麗な文章を書くのだと大満足でした。「純文学」は「芸術」と言われていますが、昔の受賞作品も読んでみようかと思います。
2017年8月15日火曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
鶏口牛後
当塾の父母面談が終わり、学校の3者面談もそろそろ終わる頃です。中3生にとっては進路決定する重要な面談となっているわけですが、保護者様と色々お話させていただく中で、勿論志望校決定の最大の要素が偏差値であることはゆるぎないところではあります。但し「鶏口となるも牛後となるなかれ」という...
-
issie’s読書感想文。またもや山田詠美さんです。作品は「蝶々の纏足・風葬の教室」。今回は「蝶々の纏足」の感想を書いてみます。幼なじみのえり子に支配され、いつも引き立て役の瞳美の女の子二人の物語。このえり子の支配の仕方が支配していると誰にも気付かせないような巧妙さなのですが、か...
-
先日、小論文と面接で志望校合格を勝ち取ってくれた生徒に「勝因は何?」と聞くと、「小論文ですかね。小論文は慣れで、練習すれば書けるようになるものです。」と話してくれました。文章の読み書きについてどうすれば得意になるのか、ここが誰もが難しいと感じておられる部分だと思います。皆さんの志...
-
先日より模擬試験の返却し、個人面談を実施しています。生徒たちは真剣に自分の成績結果と向き合い、どうすれば次のステップに繋げることができるのか僕たちと一緒に悩んで前に進んで行こうとしてくれています。しかし、気持ちだけが空回りしてしまって、勉強に取り組もうとは思っているけれども、なか...
0 件のコメント:
コメントを投稿